中国ガバナンス|第一回世界インターネット大会

いよいよ明日に、第一回世界インターネット大会が開催されます。

開催地:中国浙江省乌镇

f:id:alienware:20141118182649p:plain

毎年ダボスで開催される「世界経済フォーラム」を見習い、千年もの古い歴史のある町である「乌镇」を選んで、永久的にこの会議がこの地で開催される願いを込められます。

2014年世界互联网大会

 

さてまずVIPとしてどのような方々が来会するのでしょう?

錚々たる顔ぶれを招いてます。

f:id:alienware:20141118183249p:plain
●中国政府
鲁炜(中国国務院インターネット情報室室長・大臣相当)
●中国企業
李彦宏(バイドゥ代表取締役)
马云(アリババ会長)
马化腾(テンセントCEO)
周鸿祎(360代表取締役社長)
曹国伟(新浪代表取締役社長)
刘强东(京東商城代表取締役社長)
王晓初(中国電信代表取締役社長)
常小兵(中国聯通代表取締役社長)
●アメリカICANN
Fadi Chehadé(ICANN会長・最高経営責任者)
Rod Beckstrom(ICANN前会長・最高経営責任者)
●アメリカシンクタンク
Bruce McConnell(EastWest Instituteシニア・バイス・プレジデント)
James Andrew Lewis(米戦略国際問題研究所ディレクター)
●外国企業
Anne Bouverot(GSMアソシエーション事務総長)
ポール・E・ジェイコブス(クアルコム会長)
リード・ギャレット・ホフマン(リンクトイン創始者)
孫正義(ソフトバンク代表取締役社長)

※日本からは孫さんお一人のみですね

 

まず中国政府よりインターネット情報室。事実上の主催者です。この組織の表向きの平和な名称にわされがちですが、実際は共産党のサイバー戦略実践の重役を担っています。
今回の大きな重点は「インターネットガバナンス」、ICANNの重役を呼んできたきたところからも伺えます。ただし、それはICANNに全面協力しますよ、と言うよりは、ICANNの決まったルールでやるのではなく、中国は中国のやり方でガバナンスをやっていく、とのシグナルを出していると思います。

勿論、直ちにICANNに対抗する組織をつくって中国で運用開始するわけではないと思いますが、MSとシスコ製品が全面的に中国政府調達から外れたことや、国産OSを(再び)積極的に開発を再開しするなどの事象をみると、インターネットガバナンスがほぼアメリカの顔色を伺う現状をそのまま指を咥えて見てるとは思えません。
また中国三大ネット企業BAT+360、及び電気通信キャリア2社の最高責任者呼びつけたところと、米シンクタンク・外国大手企業も呼んできたことからみると、皇帝時代の「万国来朝」という言葉を思い出します。(たくさんの国々が帝国に朝貢(ちょうこう)しに来る模様≒遠路はるばる大儀であった)

f:id:alienware:20141120084936j:plain


いずれにしても、インターネットにおける中国の強い存在感を誇示するようなものですが、どのような会議になるのでしょう?明日に注目。

 

さて2週間前にこの室長(大臣)がニュース発表会を行いましたが、思わずおんや?と思わせる内容がいくつかありました。

首届世界互联网大会新闻发布会召开 现场回答中外记者提问-观察者网


例えば、

“我们网络安全审查制度是从哪儿来的呢?是从美国等西方发达国家学来的。
→我々のネット検閲はどこから学習したかと思う?アメリカなど欧米先進国からだ。

自信満々です。

そして朝*テレビさんが質問したと思われる内容:
”西方一些网站比如说Facebook在中国无法访问,请问中国为什么要关闭这些网站”
→一部の欧米サイト、例えばFacebookは中国では訪問閲覧できないが、なぜ中国はこれらのサイトを閉鎖するのか?

への回答がまたわざとらしく、言葉のゲームになってます:


回答:その欧米サイト名をよく聞き取れなかったが、私は個人的にこれらのサイトを利用したことはない。よってこれらのサイトが閉鎖(注:原文意味そのまま)されているかどうかも知らない。だが一部のサイトが訪問出来ない状況は、恐らく存在するであろう。私が説明したいのは、我々のすべての管理は中国の法律に基づいて行っていることである・・・・

 

 サイト名を「聞き取れなかった」くせに、「そのサイトを利用したことはない」と断定できるところが既にですね。

香港フェニックステレビの記者がコレに続き、関連する質問をするや、

「私はFacebookが中国に入ることを禁止すると言ったこともないし、中国に入ることを許可すると言ったこともない。中国が対外的に開放(オープン)する政策は変わらず、それは中国の国策だからである。だが、外国企業が中国に進入できるボトムラインは、中国の法律ることである・・・・」

 

四中全会の全体会議で「依法治国」(法律に基づいて国を治める)を議決事項にしてから、どの部署のお偉いさんも言わずもがな、しきりにを持ちだしていますね。

逆を言うと、これまでは(法律に基づいて国を治める)ことをしてこなかったのか?と思ってしまうのは私だけでしょうか。

 

※19日追加:

大会出席のVIPリストが更新されました。

アメリカ「八大金剛」が一堂に集まった、と表現されてます。

ますます万国来朝、よきにはからえ状態ですね。

- ブルース・スウェル/アップル上級副社長
- Scott Beaumont/グーグル副社長
- 鄭妙勤/IBM首席技術官
- 沈向洋/MS副社長
- 潘少海/オラクル副社長
- Greg Slater/インテル副社長
- Jeff Moon/シスコアジア・パシフィック副社長
- ジム・スミス/トムソン・ロイターCEO
- ラジーブ・スリ/ノキア総裁
- 李海珍/Naver董事局主席
- Doug Gurr/アマゾン副総裁
- ヴォーン・スミス/フェイスブック副総裁
- 马克·克罗尔/ヒューレットパッカードCTO
- Patrick Bruelレックスマーク副総裁
- 高端斌/テルストラ大中華地区CEO

※19日追加その2:

中国共産党総書記の習近平さんの会議開催への祝電全文です。

 

内容を簡単に訳してみました。ところどころ「ガバナンス」が強調されてますね。

---------------------------祝電日本語訳 ---------------------------

第一回世界インターネット大会開幕に際し、中国政府及び中国国民並び私個人の名義において熱烈な祝いの意を申し上げます。会議に出席された各国政府関係の方々、国際機構の責任者及び学者・企業の代表などの皆様にも熱烈に歓迎いたします。

   今の時代は情報技術を中心に、新たな科学技術革命が起ころうとしております。インターネットは新たな想像を駆動・発展する先駆的なパワーとなり、人々の 生産・生活を変え、社会発展を押し進めています。インターネットはこの世界の名前通り地球村に変え、国際社会はお互いに包含する運命共同体となっておりま す。また、インターネットの発展は同時に国家に関する主権・安全保障・利益になどにおいて新たなチャレンジにもたらし、国際社会が共に真剣に対応し、共に ガバナンスを行い、共栄を実現しなければなりません。

  中国は現在まさにインターネット建設を積極的に推進しており、インターネット発 展の成果が13億の中国国民にもたらされるよう努力しています。中国は世界各国と協力し、相互尊重・相互信頼の原則を元に、国際協力を深め、インターネッ ト主権を尊重し、サイバーセキュリティを確保し、共に平和・安全・オープン・協力しあう事ができるサイバー空間を創造し、マルチラテラル且つ民主的で透明 な、国際インターネットガバナンスを創りあげたいと思います。

  今回の世界インターネット大会テーマである「互いに接続し 互いに通じ合い 共有し共にガバナンスを行う」はサイバー空間が直面している問題に対し、国際社会が共に関心を寄せているものである。会議に参加された皆 様により良いアイデアが集まり、共通意識を創造し、インターネットが人類にさらに良いものとなるよう願います。

  最後に会議の円満且つ成功な開催を申し上げます。

  習近平

  2014年11月19日

---------------------------------------------------------